紅茶グマのお菓子ブログ

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フレッシャー

今回カフェではビュッシュをお出ししているんですが、
ビュッシュってなんですか?と、ご質問をいただきました。
ビュッシュはフランス語で薪のことです。
薪の形をしたケーキを、フランスではクリスマスに食べるのですが…。

私のビュッシュにまつわる思い出をひとつ。
以前、フランス、パリ郊外にある、エコール・ルノートルという製菓学校で、
少しの間、講習を受けた際に、ビュッシュのクラスにも申し込みをしました。
月曜日に自分が申し込んだクラスの名前と、参加する人たちが
それぞれ呼ばれるのですが、
ビュッシュのクラスは、フランスの全土からやってきたパティシエたちが名前を呼ばれて、
それぞれ自分が仕事場で普段着ているコックコートで整列して軍団を作り、
講習を受ける教室に向かいます。
そのフランス人のでっかいおじさんたちの列の中に、小さい東洋人がひとり。
緊張してほとんど吐きそうになった顔面蒼白の私が、ガチガチになって、
ルノートルのピンクの扉を押した、あの月曜日の朝のことは、
一生、絶対に忘れられないと思います。

エコール・ルノートルのケーキは、
普通のケーキ屋さんのお菓子とは一線を画していて、
日本人がイメージするとしたら、ピエール・エルメやラデュレのような
シックなケーキです。
しかもこのビュッシュを教えてくれた先生は
とっても自分に自信のあるタイプの典型的なパリジャンで、
かっこよく、神経質で気分屋、機関銃のようにしゃべり、
おまけに職業病でしょうか、超肩こりがひどくて、
サロンパスをあげたら、午前中すごく不機嫌だったのが、
昼休みの後、急に「調子がよくなったよ!」と、ご機嫌になったり。

でも、とても華やかなお菓子を作るのが得意な方で、
斬新な構成や、我々が思いもつかない新しい組み合わせ方を考えだして、
うっとりするようなスタイリッシュなケーキをたくさん我々に教えてくれました。

ブルターニュから来ていた、素朴な感じのおじさんのパティシエが(たぶん私より年下だと思うけど)
一緒にケーキを作っていたとき、「おれの店じゃ、こんなケーキは作れないからな…」と
ぽつりとつぶやいていたのが、今でもすごく印象に残っています。

ビュッシュのクラス、1週間だけだったのですが、ものすごく濃密な時間でした。
たぶんあの1週間がなかったら、私はまた違った発想でお菓子を作っていたように思います。

その時に習ったビュッシュのひとつを少しアレンジして
今回ひとつ、ショーケースに並べています。
IMG_3417.jpg

マンゴーとフランボワーズのビュッシュ。
本名はフレッシャーと言います。
一番下がパンドジェーヌという、マドレーヌに近い生地に
フレッシュフランボワーズを入れて焼く。
ビュッシュの真中にフランボワーズで炊いたクレーム・アングレーズ。
こちらにもフレッシュフランボワーズを入れて、パンチを効かせ、(これは私が考えました)
フランボワーズの下に、ちょこっと見えているのが、
ジェリフィエ・マングーという、マンゴーのゼリー。
周りを覆っているババロワズがマンゴーのババロワです。
複雑な構成ですが、バランスがとれていて、瑞々しく、まさにフレッシャー。
さすがルノートル、やることが憎いな、と思うわけです。

今年最後のカフェもあと残すところ明日1日となりました。
いらっしゃる方はぜひ、このルノートルのエスプリが入った
フレッシュなマンゴーのビュッシュ、食べてみてください!


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