紅茶グマのお菓子ブログ

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オレンジのラプソディ

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子供のとき、私は父にピアノを習っていました。
親子レッスンの悲しい性。父はよく物覚えのよくない小さな娘をしかり、娘はピアノの練習の時間になると、決まってお腹が痛くなったり、体が痒くなったりの連続でした。

そんなある日、「オレンジのラプソディ」と言う曲の練習を始めることになりました。
父が最初に弾いて聞かせてくれた曲は、童謡の「浜千鳥」でした。
「この曲、聞いたことあるよね?この曲は、オレンジが転がるように鍵盤の上を、素直に転がっていけば、上手に弾けるはずの曲なんだよ」と、言うようなことを父に言われた気がします。
私は気が進まないまま、鍵盤に向かいました。
そして、つっかえながら、楽譜と、父の顔色をみつつ、なんとか1曲弾き終えたところで、大好きな祖母が、「浜千鳥」を歌いながら、私の側にきてくれました。
「助かった!おばあちゃんがきたら、ピアノの練習終わりや!」そう思って、私は唇を結んで、必死で祖母の顔を見上げました。
「みどちゃん、おばあちゃんね、このお歌大好き。大好きだから、上手に弾けるようになってね」
その祖母の一言で、私はいつもより少し頑張って、この曲を練習したような記憶があります。
「青い月夜の浜辺には...」
「オレンジのラプソディ」と「浜千鳥」は、同じメロディーだったのです。
オレンジがころころと転がるように、曲は流れていって、ちょっと調子はずれな低い声で、祖母が私の後ろに座って、浜千鳥を歌っています。
真剣になると、癖で、いつも口を尖がらせて、怒ったような顔をしてしまう私は、一生懸命鍵盤に向かっている...そんな子供の頃の記憶が頭の中に浮かんでくるのです。
そうです。オレンジ色の柑橘系の香りを嗅ぐと、一瞬、それが蘇ってきます。

今回。ピール煮にしたオレンジは、実際はニューサマーオレンジという品種。でも、ニューサマーオレンジは、もっと黄色いです。
農家の方に確認すると、木によって、時々こういうオレンジ色の実がなることがあるそうです。
「本当かな?」ちょっと疑いつつ、「欲しかったのは、こんなんじゃなかった」と、文句もいいつつ、来てしまったものは、仕方がないと、オレンジ色の実をたくさん刻んで、実ごと煮てしまいました。
結果は、あまり苦味のない、香りのいいアグリュムのコンフィが出来上がりました。

「オレンジのラプソディ」は、オレンジを転がしながら、できあがった曲。
私も自然な流れに逆らわず、よい素材がきたら、それに合わせたお菓子を作れれば満足です。そんな気持ちでみなさまに、お届けします。
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| | 2012-07-31(Tue)01:56 [編集]


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